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施設認定事業

 このたびJOLARでは、無痛分娩の安全管理を確認する「施設認定事業」を新たに開始いたしました。この施設認定は、単に基準に適合しているかどうかを確認するだけでなく、第三者が実際の現場での安全性や適切な管理を検証するものです。私たちの取り組みは、患者様が安心して利用できる環境を提供できるようにしていただくことを目指しております。

認定委員

【委員長】
高木俊一先生
日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野 診療教授

【顧問】
天野完先生
元北里大学診療教授・周産母子センター長 
日本産科麻酔学会(JSOAP)会長(2004~2014年) 
てるて産科クリニック


【認定委員】
魚川礼子先生
大阪警察病院 麻酔科
R’sCompany株式会社


野口翔平先生
埼玉医科大学総合医療センター 産科麻酔科 講師

日向俊輔先生
北里大学病院 周産母子成育医療センター産科麻酔部門 部門長

金井雄二先生
産育会 堀病院 理事長 院長

吉冨智幸先生
マミーズクリニックルナ 院長

林聡先生
東京マザーズクリニック 院長

村越毅先生
聖隷浜松病院産婦人科・総合周産期母子医療センター センター長

岡田恭芳先生
医療法人愛育会 理事長・愛育病院 院長

大西庸子先生 
北里大学産婦人科 診療講師

田辺けい子先生
神奈川県立保健福祉大学 看護学科 准教授

吉村文子先生
医療法人至誠会 梅田病院 看護師長 


入駒慎吾先生
一般社団法人 日本無痛分娩研究機構 代表理事
1162Clubコミュニティー・オーナー
株式会社LA Solutions 代表取締役CEO

認定施設

産科・婦人科 ミナミクリニック

医療法人社団吉徳会 あさぎり病院

井槌病院

医療法人至誠会 梅田病院

中村レディースクリニック

医療法人社団順風会 高島平クリニック

施設認定からのご感想

【施設A様からのご感想】

このたび、当院は無痛分娩における安全性を確認するため、貴機構の無痛分娩施設認定審査を受審し、無事認定を取得することができました。ご支援、ご助言をいただきました。関係各位に心より感謝申し上げます。機構事務局より施設認定取得に関する感想の提供を依頼されたため、簡単ではありますが所感を述べさせていただきます。 本制度は必須ではなく、クリニック側の自主的な申請によるものですが、当院では無痛分娩の安全性向上を目的に、あえて審査を受ける決断をいたしました。正直に申し上げると、見ず知らずの麻酔科医が院内に立ち入り、あれこれと厳しい指摘を受けるのではないかという不安がありました。しかし実際には、調査に訪れた麻酔科医師お二人は極めて誠実かつ前向きな姿勢で、無痛分娩に関する事はもとより、施設内の医療体制を細部にわたり確認しつつ、「安全性を高めるために何ができるか」という視点から、数々の具体的かつ実践的なアドバイスをくださいました。ご指摘を受けた点に対しても、単なる評価にとどまらず、実現可能な改善案を個別具体的に提示していただき、非常に建設的なやり取りを重ねることができました。その結果、スタッフ一人ひとりの安全意識も高まり、特に助産師をはじめとするチーム全体の意識改革につながったことは、大きな成果であったと実感しています。施設認定の取得は、単に“認定証”を得ることを目的とするものではなく、医療の質と安全性を客観的に見つめ直す貴重な機会となりました。無痛分娩を行う施設として、麻酔を必要とする全ての妊婦さんに対してより安心・安全な医療を提供していくために、この制度の意義は非常に大きいと感じています。これから申請を検討されている先生方には、ぜひ前向きにこの制度を活用されることをお勧めいたします。

【施設B様からのご感想】

  • 「もう少し注入量を入れれば効くかもしれない、今でもある程度は効いているのだから。あと1回」そうやって注入量が増えてしまっていました。JOLARでご指摘を受けてから、さっさとあきらめて再度チュービングすることで、注入量の減少や満足度にはつながっていると思います。
  • 経験の蓄積のみに頼り、新しい知見や考え方の導入に遅れると、知らぬ間にガラパゴス化してしまうことを、身に染みて教えて頂きました。ありがとうございました。

【施設C様からのご感想】

【認定取得に向けて工夫された点、特に重視された取り組み】
■安全確実なプロトコールの作成
 40年以上に渡り継続してきたプロトコールの全面改訂を、無痛分娩コンサルタントの指
導下に構築
■新規プロトコールの遵守率向上
 毎月の無痛分娩コンサルタントによる、1ヵ月間の無痛分娩全症例のZOOM振返りで、
プロトコールエラーの共有を図り再発防止に努めた
■プロトコール背景にある病態生理の理解
 プラクティスガイド原書の反復読み返し
■患者様への事前教育
 無痛分娩管理の流れ、合併症をまとめた文書類、動画作成
 動画閲覧回数の確認、不明点の確認を健診中に確認
 体重管理、BMIを中心とした無痛分娩提供該当基準の共有
■致死的合併症に備えた院内での出張シミュレーションの定期開催
 全脊髄くも膜下麻酔、局所麻酔薬中毒、アナフィラキシーショック、出血性ショックを
想定した自院の人的、物的資源を活用したトレーニングで合併症発生時の初動訓練
【認定取得に伴う変化(職員の意識、業務の改善、患者様への影響など)】
■助産師が主体的にアセスメントできる知識、技量を体得することで、医師と理路整然と
コミュニケーションを取りながら無痛分娩を管理することが大きな意識改革となった
■無痛分娩を論理的思考で管理可能となったため、安全管理上の業務が改善された
■患者様の事前自己学習と疑問点解消を妊婦健診中に図ることで、無痛分娩の不安要素軽
減が図れた
【今後の展望】
■無痛分娩管理未経験助産師と、プロトコール遵守率と経験値の高い職員との間での効果
的な教育環境を院内の文化として維持していきたい
【課題】
■有床診療所開設以来50年余、24時間オンデマンドを叶えるための、常勤医師の過重勤務
体制の改善
■無痛分娩提供時間帯の制限を設けるべきかのジレンマ
■自院内での安全確実な無痛分娩管理を提供するための人的、物的、経済的支援体制構築
■無痛分娩選択妊婦への補助金制度、分娩管理費用の保険適応化が現実化した際の業態、
運営変容
■産婦人科臨床を取り巻く内的・外的環境下での事業継承
【その他、認定取得を振り返ってのご感想】
■施設認定第一号の栄誉は、40年余の従来プロトコールを変更する勇気を伴いました。
それまでの下地と新規プロトコールが比較可能となり、有床診療所でのより安全確実な無
痛分娩提供が可能となったことに大変満足しています。
■審査員の諸先生方とのコミュニケーションは、認定取得後も継続しており、日々の臨床
上の疑問点照会も可能となり安心です。
■一朝一夕には到達できませんが、無痛分娩コンサルタントや審査員を育てる環境、産科
麻酔を学ぶ産婦人科研修体制、助産師育成体制の構築なくして分娩管理の大規模病院集約
化の有無によらず、日本津々浦々まで安全確実な無痛分娩管理は永続しないと思いました。
■無痛分娩コンサルタントは、麻酔学と産科学両分野の知識、経験、技量を求められる特
殊技能を備えた必要不可欠な業種と思いました。

【施設D様からのご感想】

【認定取得に向けて工夫した点、特に重視した取り組み】
今回無痛分娩の施設認定を取得するにあたって、チェック項目に従い一つ一つ見直しを
行いました。まずは無痛分娩マニュアル、無痛分娩看護マニュアル、妊婦への無痛分娩説
明書、分娩誘発説明書、同意書を更新いたしました。
さらに重視した取り組みとしてLA Solutionsの企画の一つである、無痛分娩致死的合併
症の出張シミュレーション講座をスタッフ全員で受けました。通常のシミュレーション講
座は広々とした会場で行われ、必要な機材・物品・薬剤は全て揃っているという前提で行
われます。一方、出張シミュレーション講座は日頃自分たちが使用しているLDRという限
られた空間で講座が行われるので、現場に即したシミュレーションが行われます。すなわ
ち、LDRベッドでの人工換気のやり辛さ、物品・薬剤の不備等が第三者である指導講師か
らは見えますので、これらを改善するきっかけとなりました。
この講座を受けた後、高位脊髄くも膜下麻酔・局所麻酔薬中毒をはじめとする麻酔合併
症を疑う基準とその対応のキャプションカードを作りました。さらに救急カート内の薬剤
・物品の整理と刷新、および滅多に使用しない薬剤だからこそ使用方法を記載したカード
も作り、薬剤と並べて収納いたしました。これらにより、夜間の緊急時でも全てのスタッ
フが冷静に対応できるように整備いたしました。
シミュレーション講座は撮影が許可されましたので、忘れないように何度でも見直せる
ようにスタッフ全員で動画を共有いたしました。
【認定取得に伴う変化(職員の意識、業務の改善、患者様への影響など)】
認定取得に伴いスタッフの変化として、これまでは無痛分娩による致死的合併症は滅多
に起きないものであるという認識でしたが、現在は毎回起こり得るものであるという前提
で捉えるようになりました。すなわちバイタルサインのチェックや妊婦さんへの声かけ、
毎回の吸引テスト、コールドテスト、左右差といった日頃行っている何気ない事柄の意味
と重要性を理解して業務が行えるようになったと感じています。また、今回の認定取得を
きっかけにJ-CIMELS公認講習会を全てのスタッフに受講してもらいました。
院長である私の変化としては、恥ずかしながらこれまで妊婦さんの背中を事前に診察し
たことは一度もありませんでしたが、現在は必ず麻酔前評価を行うようにしております。
妊婦さんの無痛分娩のイメージは、痛みの無い分娩という良いイメージだけを考えてい
ると思われます。しかし、実際は産科合併症や麻酔合併症があるという教育も重要で、そ
れらを理解したうえで無痛分娩に臨んでもらうように改善いたしました。実際、無痛分娩
後に硬膜穿刺後頭痛を起こした症例がありましたが、特にクレームもなく適切に対応でき
ました。
【今後の展望や課題】
BLS、ALS、J-CIMELS公認講習会や無痛分娩致死的合併症シミュレーション講座は、一
回きりではなく定期的に受講する必要があります。少なくとも当地域ではBLS、ALSの案
内は来ませんので、講習会を主催する側と私を含めた全てのスタッフの都合を合わせて、
いかに定期的に受講できるのかが今後の課題だと思われます。
【その他、認定取得を振り返っての感想】
今回の認定取得にあたっては書類審査だけでなく、面接と現場視察のサーベイヤーとし
て日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野 診療教授である高木俊一先生と、マミーズク
リニックルナ院長の吉冨智幸先生に来院していただきました。面接は休憩を挟み2時間半
にも及びました。現場視察では物品や救急カートの内容の確認をはじめ、無痛分娩から帝
王切開にコンバージョンした際のLDRから手術室への動線、母体搬送の際のストレッチャ
ーの出入りのしやすさや間口の大きさ等を見ていただきました。お二人ともお忙しい中、

遠路遥々サーベイヤーの仕事のためだけに日帰りでお越しになりました。
この施設認定事業は受ける側も審査する側も大変な労力を要しますが、それだけ重みの
ある事業だと感じました。今後もスタッフ一同、責任を持って安全な無痛分娩に取り組ん
で参ります。
今後、分娩施設では無痛分娩を提供できて当然の時代が来ると思われますが、その次は
安全性とクオリティーの良さが問われ、それが差別化に繋がると思います。当院ではホー
ムページに施設認定を取得したことを掲載しており、妊婦さん方への情報提供となれば幸
いです。ただし認定取得にはそれなりの費用がかかります。自院の宣伝目的のための認定
取得ではなく、安産な無痛分娩を提供するためにスタッフ全員の意識向上のための動機付
け・投資であると考えます。
一方、東京都の無痛分娩に対する妊婦への助成金で、今後ますます無痛分娩を行う施設
が急増すると予想されます。その際、安全な無痛分娩を提供できる施設であるかを都がど
のように評価するのか注目していきたいと思います。

【施設E様からのご感想】

【認定取得に向けて工夫された点、特に重視された取り組み】
マニュアルの見直しは常時行っていましたが、根本的に全体を見直す良いきっかけとなり
ました。また、アクションカードは一から作成し直し「症状」と「対応」が一目でわかる
よう工夫しました。実践においては、入駒医師のプロトコール遵守により安全性の高い無
痛分娩を日々心掛けていましたが、地域の病院として無痛分娩を受け入れる安全のボーダ
ーラインとしての基準を設けたり、穿刺前評価が医師によって差が出ないようテンプレー
ト化したりすることに取り組みました。
【認定取得に伴う変化(職員の意識、業務の改善、患者様への影響など)】
これまで、緊急シミュレーションを若手のスタッフに行っていましたが、認定後はスタッ
フ全員参加でシミュレーションを行うようになりました。無痛分娩の致死的合併症シミュ
レーションを、グループごとにアクションカードを用いて行うことで、助産師だけでなく
看護師の無痛分娩の知識と安全への意識が向上しました。また、全員がNCPRを取得する
ことができました。
救急カート内の薬剤の過不足についてアドバイスいただき、必要でない薬剤を廃止し必要
な薬剤を配置するようになり、コストパフォーマンスと医療安全の両面での改善ができま
した。
【今後の展望や課題】
・助産師全員J-CIMELSの母体救急ベーシックコース取得
・BLS取得
・ホームページを改良する
・生きたマニュアルとして常に更新
【その他、認定取得を振り返ってのご感想】
「評価される」という体験の中で、日常の管理を見直す良い機会となっただけでなく、評
価していただくことで管理に自信を持つことができ、さらに安全な体制を整えたいという
意欲につながりました。無痛分娩だけでなく、救急カートの管理や手術室の管理などにも
アドバイスしていただき、多方面において業務改善することができ、大変ありがたい体験
となりました。再認定に向けて日々向上していきたいと思います。

施設認定の流れと審査料について

認定までの流れ

1. 「事前評価シート」へのご記入・ご提出
2. 書類審査
3. 施設訪問審査(現地確認、関係職種への聞き取り等)
4. 審査委員会での最終判定
5. 施設認定証の発行

審査体制:
• 産科医・麻酔科医・助産師の3職種からなる2名以上のチームが施設訪問
• 設備、教育体制、安全対策などを総合的に評価
• 認定の有効期間は3年間

審査料および費用

• 書類審査料:10万円(税込)
• 訪問審査料:40万円(税込)
• 再訪問審査料:20万円(税込)※必要な場合のみ

備考:
• 入会金・年会費は現在徴収なし
• 審査委員の交通費・宿泊費等は実費を別途請求

よくあるご質問(FAQ)

Q:JALAとJOLARの違いについて
A:
• JALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会):無痛分娩に関する情報発信や啓発活動を行う団体。
• JOLAR(日本無痛分娩研究機構):実践的な安全体制の整備、教育、施設認定制度を通じて無痛分娩の質向上を目的に設立。2019年に設立された新しい事業体。
※JALA議長の海野信也先生とJOLAR代表理事の入駒慎吾の協議のもと、「JALAでは対応が難しい実務的な制度を担う必要がある」との判断からJOLARが設立されました。JALAの海野先生もJOLARの活動についてご理解・ご認識をいただいております。

お申し込みについて

施設認定へのお申し込みは、申込みフォームに必要事項を入力の上、送信してください。お手続きが完了しましたら、担当者からご連絡させていただきます。
ご不明な点や質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

事務局:jolarsecretariat@gmail.com